【今回の材持ち込みオーダー三線は八重山黒檀でした】

【今回の材持ち込みオーダー三線は八重山黒檀でした】

【今回の素材持ち込みオーダー三線は八重山黒檀でした】
今回ご依頼いただいたのは、お客様が大切に保管されていた八重山黒檀の角材を使ったオーダー三線の製作です。

八重山黒木は、沖縄県内でもすでに伐採が禁止されている貴重な銘木。 現在流通している材は、ほとんどが伐採禁止前に確保されたものか、個人全ての庭木や古材から得られる、いわば「再会できない木」です。

その中でも今回は、角材の状態でも密度の高さが際立ち、割った瞬間に芯までしっかりと黒く染まった「真黒(まぐろ)」の芯材が現れました。これだけでも価値が高いのですが、思ったのはさらにその先。

なんと、衿の表面にうっすらと美しい模様があったのです。

✨まれに現れる「幻の模様」入り
今回の材に現れたのは、それぞれ🤖
**ウジラミー(鶉目)**に近い、黒い地の中に斑点のような明るい色が優劣な杢目。

八重山黒檀の特徴として、マカッサル黒檀(縞黒檀)のように派手な縞模様が出にくく、自然光の角度によってうっすらと華やかな繊細な模様が特徴です。中でも「ウジラミー」「トゥラヌジュー(虎の尻尾)」「ムリブシ(群星)」などと呼ばれる模様が現れるものは、木目だけで価格が上がるほど希少価値が高いとされています。

🎨 スンチー塗りによって、唯一無二の竿へ
この模様を活かすため、仕上げには**スンチー塗り(懐かしいボル色の拭き漆風仕上げ)**をご提案しています。

スンチー塗りは、黒木を持つ艶やかな質感にほんのりと赤みを差し込むような伝統塗装法で、光の加減で模様がより立体的に上がっていきます。

この仕上げを最大限に、
🎻 「音」だけでなく「見た目」においても唯一無二の存在感を放つ三線になることでしょう。

🛠️ 長年寝かせた材+荒ワキ=理想の音
なお、今回の材は荒ワキ(竿の荒削り)後に十分な乾燥期間をとって寝かされていた材で、硬度・安定性共に理想的な状態でした。 黒檀は密度が高いため、角材のままでは内部まで乾きづらく、鳴らない・ひび割れが出ることもあります。

その点、木の芯を開いて呼吸させる「荒ワキ」を省略した素材は、音の締まりと響きが今後も良くなるため、今回のように大切に管理されてきた素材は、三線として最上級の素材と言います。

🌿 受け継がれる木、受け継がれる音
家族にとって長く守られてきた黒木が、こうして三線として生まれ変わることは、ただの「楽器づくり」ではなく、記憶と時間を音にすることだと私は感じています。

これから塗りの工程、皮張り、糸掛けを経て、遠く鳴るその瞬間を迎えたとき、この三線は「木」ではなく「物語」になるでしょう。

📩黒木の角材をお持ちの方、仕立てや乾燥のご相談も承っております。
「この材、使えるかな?」とお小遣いしたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

#八重山黒木 #黒檀三線 #持ち込み三線 #オーダー三線 #家宝三線 #幻の模様 #スンチー塗り #荒ワキ #三線製作記録 #木の声を聴く

 

ブログに戻る